「軟骨がすり減っている」「変形がかなり進んでいる」「もう手術しかないのでは…」
――膝の状態が悪くなるほど、今後の生活に不安を感じる方も少なくありません。
今回ご紹介するのは、6〜7年前から両膝の変形性膝関節症を指摘され、特に左膝の変形が進んでいた80代女性です。階段、歩行、しゃがむ動作など、日常生活の最低限の動作にも痛みが出るようになり、周囲からは注射や手術を勧められていました。
来院時の状態
来院時は左足を引きずるように歩き、靴を脱いで下駄箱へ戻す動作もつらい状態でした。問診票を書いた後、椅子から立ち上がる際にも何かにつかまらなければ難しいほどでした。
ご本人の希望は「できるだけ手術はしたくない」「もう一度旅行に行きたい」「一人暮らしなので、できる限り自分のことは自分でしたい」というものでした。
当院で確認したこと
膝を確認すると、関節の動きのズレ、お皿の動きの硬さ、特に膝裏の強い筋緊張がみられました。硬い部分とそうでない部分の差も大きく、長年の身体の使い方や、痛みをかばう動作によって負担が偏っている可能性がありました。
レントゲンで確認できる変形や、すり減った軟骨そのものを手技で元に戻すことはできません。しかし、痛みや動作には筋肉、関節、お皿の動きなども関係します。そこで「変形を治す」のではなく、今より痛みを減らし、できる動作を増やすことを目標にしました。
施術内容と経過
状態が強かったため、必要な施術内容と通院頻度を最初にはっきり説明し、まずは1〜2日おきを目安に施術を開始。筋肉を緩めたうえで、膝関節とお皿の動きを調整していきました。
初回後には歩行がかなり楽になり、2回目には椅子からの立ち座り、3回目には靴の脱ぎ履きなどにも変化がみられました。一方、膝を約120度以上曲げる動きには制限が残ったため、そこは焦らず約5回かけて調整しました。
その後も週3回程度の施術を続け、約3か月かけて身体の状態を安定させていきました。結果として痛みは大きく軽減し、できなかった正座もできるように。さらに、ご本人が目標にしていた旅行にも再び行けるようになりました。費用は当時1回3,000円未満でした。
「軟骨がすり減っているから」と諦める前に
変形が強い方ほど、改善までに期間や回数が必要になる場合があります。また、すべての方が手技療法だけで改善するわけではなく、状態によっては医療機関での治療や手術が必要です。
ただ、「変形がある」「軟骨がすり減っている」という理由だけで、今ある痛みや生活動作まで諦める必要はありません。手術以外の選択肢を検討したい方は、まず現在の状態を確認することが大切です。
こんな方におすすめ!・変形性膝関節症で歩くことがつらい方
・軟骨のすり減りを指摘されている方
・立ち座りや正座、階段が難しい方
・できれば手術以外の方法も検討したい方
・旅行や自立した生活を諦めたくない方
同じ変形性膝関節症でも、痛みの程度や身体の状態、目標は一人ひとり異なります。現在の状態を確認し、自分に合った選択肢を考えることが改善への第一歩です。