今回ご紹介するのは、70代女性の患者さんです。
転倒により膝のお皿(膝蓋骨)を骨折し、約1か月間ギプスで固定されていました。
骨は順調に癒合しましたが、ギプスを外した後も膝がほとんど曲がらず、
「この硬さを何とかしてほしい」
という思いで当院へ来院されました。
膝をまっすぐ伸ばせない
来院時の膝の可動域は、曲げても約45度、伸ばしても約15度ほど曲がった状態が残り、膝をまっすぐ伸ばすこともできませんでした。
骨折する前は、正座やしゃがむ動作も問題なくできていたそうですが、骨折後は車の乗り降りや歩行も不自由になり、ご主人に送り迎えをしてもらいながら通院されていました。
当院では、まず「膝が曲がらないから膝だけを施術する」という考え方はしませんでした。
約1か月間ほとんど動かせなかったことで、膝だけでなく股関節や太もも、お尻まで動きが悪くなっていると考えたためです。
実際に検査をすると、太ももの前後の筋肉やお尻、股関節周囲の筋肉は非常に硬くなり、筋膜の動きも悪くなっていました。
これらが膝の動きをさらに制限している状態でした。
そのため施術では、膝だけではなく、
・太ももの前後の筋肉
・お尻周りの筋肉
・股関節周囲
・筋膜の癒着
を中心に調整し、膝が動きやすい環境を作ることから始めました。
施術中は、
「飛び上がるくらい痛かった」
と話されるほど筋肉や筋膜の硬さが強くありましたが、患者さんも「早く元の生活に戻りたい」という思いで前向きに治療へ取り組んでくださいました。
また、施術だけでなく、その時の状態に合わせた運動療法も取り入れ、膝を安全に動かす練習を少しずつ進めていきました。
患者さんには、
「骨はくっついていても、関節は動かさなければ徐々に硬くなってしまいます。こうした時期は時間との勝負なので、できるだけ早くリハビリを始めることが大切です。」
と説明し、ご理解いただいたうえで集中的に施術を行いました。
仕事や予定もあり、本来は週1回程度しか通えない状況でしたが、「今は身体を優先しよう」と決断され、約1週間は毎日通院してくださいました。
その結果、約1週間で膝はしっかり曲げ伸ばしができるようになり、骨折前とほぼ変わらない動きまで改善しました。
日常生活にも支障がなくなり、ご主人の送り迎えも必要なくなりました。
実際にかかった費用
施術費用は1回あたり約2,000〜2,500円程度でした。
その後は膝の動きを維持しながら、疲労をため込まないよう月1回程度のメンテナンスへ移行しています。
骨折後は「骨がくっついたから終わり」ではありません。
固定期間が長くなるほど筋肉や関節は硬くなり、その後の回復に大きく影響します。
もちろん症状には個人差がありますが、適切な時期にリハビリや施術を始めることで、回復が期待できるケースも多くあります。
同じような症状の方へ
たいよう整骨院では、膝だけを見るのではなく、身体全体の状態を確認しながら、その方に合わせた施術をご提案しています。





